2011/10/12

織り重なる彩り



足早に雑踏を掻き分ける人混みの中でも、はっと目を惹く異国情緒溢れる鮮やかな赤い格子模様。コック帽を逆さにしたようなころんと丸い形のラウンドバッグ、シルエットの面白いトライアングルバッグ、どんな荷物でも入りそうな大きなスクエアバッグ、そして身に纏うベストには1つとして同じ模様の組み合わせはなく、「往年の」という意味が込められた d'antan の名前に相応しくそれは100年以上前に東欧で使われていたであろうアンティ−クラグで作られています。暖かな色味や使い込む程に馴染むしっかりとした生地感に、ずっと使っていきたいという気持ちが湧き上がります。なぜこのようにも「もの」の持つ力に惹き付けられ、夢中になるのでしょう。ゆっくりと流れていた時間や生活を彩るためにかけられた手間暇に今とは違う豊かさを感じることができるからかもしれません。日ごと寒さを増す空の下、まるで灯火のような赤が誰かの目に映りそして心に刻まれることがあるかもしれません。そんなことを想い描き心が温かくなります。

d'antan